2012年2月3日金曜日

朝から泣けました~今日の人生案内~

子育て一段落 独り身の孤独

50代前半、パート女性。夫を15年前に亡くしてから懸命に働き、4人の子を育てました。子どもが皆大学に進み、ようやく落ち着いた今になって、このままでよいのかと考えるようになりました。
この15年間、交際を申し込んでくれる奇特な人が何人かいました。でも全員、即座に断りました。当時の私は子育てが全て。恋は、子どもが親の恋愛を理解できる年齢になってからと考えていました。でも、子どもが独立してからは、いいようのない寂しさを感じる毎日です。亡き夫をずっと思って一生暮らすべきなのに、深い孤独感に支配される自分を恥じています。
もし出会いがあったとして、私がその人と付き合うのは、人の道に反していませんか。子どもたちは皆優しく育ち、いつも私に「お母さん、苦労して育ててくれてありがとう」と感謝の言葉を言ってくれます。そんな子どもたちを裏切ることにならないでしょうか。つまらない相談で申し訳ありませんが、ずっと悩んでいます。(新潟・K子)
 お母さん、と私に呼ばれる筋合いはないでしょうが、あえて言わせてください。
 お母さん、もしかして好きな人がいるのではありませんか。打ち明けてくれてうれしいです。お母さんのこと、ずっと心配してました。お父さんが亡くなったときはまだ30代。世間一般でいえば女盛りの年頃です。それなのに私たちのために一生懸命働いて、大学まで進ませてくれました。
 これまでも交際を申し込まれたことがあったのですね。言ってくれればよかったのに。そりゃあ、思春期で微妙なときだと複雑な気分かもしれませんが、財産につけ込まれるような裕福な家ではないし、お母さんが幸せになれるなら、私たちのことは気にしないで、と言ったと思います。
 みんな独立した今、正直にいえば、お母さんがいつも一人で家にいると想像するだけで胸が痛いです。でも、お母さんが誰かと一緒に楽しい時間を過ごせているなら、これほど心強いことはありません。お母さんが選ぶ人ならきっとすてきな男性なのでしょう。第二の人生はまだ始まったばかり。今まで本当にありがとう。いい恋、してください。
 (最相 葉月・ライター)
(2012年2月3日 読売新聞)

昨日となんか似た感じのあまり目立ちにくい相談内容だなと思いましたが、今日の最相葉月さんの回答が昨日の樋口さんに負けず劣らず、素晴らしくて、印象深いものとなりました。最相さん、うまいですよね~。まんまと(?)朝から、泣かされてしまいました。

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