2009年7月1日水曜日

The Harimaya Bridge はりまや橋

 今日は私は実に51日ぶりのお休みで、しかも1日、映画の日。と言うわけで、映画に行こうと前から決めていました。ずっと『愛を読む人』を見ようと思っていましたが、たまたま今日は夫も代休を取ったので、夫の提案で『The Harimaya Bridge はりまや橋』を見ることにしました。時間帯も朝9時半からで都合が良かったですし。実は私は同じ時間帯の『剣岳』もいいかなと思ったのですが、夫に却下されました。香川照之の熱演ぶりを想像するとゲンナリするそうで…。

 さて、『はりまや橋』ですが、私は内容を何も知らずに見ました。なんとなくタイトルから、こじんまりしながらも、しみじみと感動させる映画かな言うイメージを抱きつつ。

 大当たり!でした。多くの人に見てほしいと思うほど、本当にいい映画だと思います。

ストーリーの概要は:
サンフランシスコに住む写真家ダニエル・ホルダー(ベン・ギロリ)には、愛してやまない一人息子ミッキー(ヴィクター・グラント)がいた。しかし息子はアメリカを飛び出し、日本の高知県のとある町に英語教師として赴任、画家としての才能も発揮していた。その順調な生活も束の間、 1年もたたずにミッキーは交通事故に遭い命を落としてしまう。悲しみに暮れる父ダニエルには、太平洋戦争で自らの父を失った過去があった。戦争で父を日本兵に殺され、息子をも日本で命を失ってしまうおぞましい悲劇―。日本への抑えきれない嫌悪感と偏見を抱えつつも、自らを奮い立たせ、 息子が遺した絵をかき集める決意で単身日本を訪れたダニエルは、高知をさまよう。その地で、ミッキーを弟のようにかわいがっていた原先生(清水美沙)や、かつての上司(山崎一)、 同僚(misono)に思いのほか温かく迎えられ、 意外なまでに高知の人々に愛されていた息子の生活を目の当たりにし、激しく戸惑う。そんなある日彼は、息子の教え子であった知的障害を持つ少女(穂のか)から プレゼントされた絵によって思いがけない事実を知る。ミッキーが同僚の紀子(高岡早紀)と結婚していたこと、 そしてふたりの間に生まれていた、新しい命の存在を―。 (公式サイトより)

ミッキーが絵を描いているシーンから始まるのですが、太めの絵筆と絵の具だけを使ってただ線を描いていて、最初は何を書いているのかわからなかったけど、見る見るうちにはりまや橋の上で向き合う男女の絵に仕上がっていき、その技法に感動しました。

最初の方は、ずっと薄暗い中で話が進んでいきますが、ダニエルが日本へ来たところから、画面は明るくなります。

日本に来てからのダニエルの傍若無人な振る舞いにはイライラさせられました。日本を憎む気持はわかるけど、現にお世話になってる人たちに対してあの態度はないでしょう。教育委員会の井上さんの「ぎこちなさと無礼は違う」というセリフ、ナイスでした。でも、だんだんダニエルの心境の変化に伴って、振る舞いも目に見えて変わっていく様子が分かりやすく描かれています。

ダニエルの、頑なな心(「裏切られた」「悲しい」という息子に対する気持ち、「憎い」「許せない」と言う日本への気持ち)が解放された後の変化に感動しました。それまでは抜け殻のようだったダニエルが、カメラを手に入れて、生き生きと高知の風景や子供たちに向かってシャッターを切りまくるその動きのシャープさ。これが本来のダニエルだったのですね。

この映画は、親子間、世代間、地域との葛藤、また人種間、国家間の偏見、葛藤とそれがほどけて行く過程を2時間で、押し付けがましさもなしに、うまくまとめられています。
また、映画全体の色彩は薄暗い感じな中、高知の緑豊かな自然や、桂浜、派手派手なよさこい踊りのシーンも入り、色彩的なバランスも素晴らしいと思いました。 また、桂浜のシーンは、海の向こうにはアメリカがあり、遥か彼方ながらもこの日本とつながっていることの象徴に思えました。

高岡早紀はやっぱり綺麗ですね。か細さと妖艶さ、芯の強そうなところが、ノリコ役にぴったり。日本人女性のイメージとしてこういったタイプが海外に発信されるのは私としてはうれしいです。ダニエルと対等に渡り合うシーンが特に良かったです。

最後に、原さん役の清水美沙(いつの間にか芸名が美砂から美沙に変わってたのね)の熱演に拍手!仕事の出来る有能な女性であり、かつ、情も篤いという原さんを見事に演じていました。そしてセリフの半分は英語で、しかもその英語がすごく流暢でした。それもそのはず、ご主人はアメリカ人なのですね。しかも土佐弁までしゃべってました。セリフは多分、出演者の中で一番多かったのではないでしょうか。(映画全体でも英語のセリフの方が多いので、英語学習にも使えそうな映画になってます)

2 件のコメント:

ジョディ さんのコメント...

お休みなしで多忙なyochan。
手際よく仕事も家事もこなしてる様子が目に浮かびますよ。
この映画「はりまや橋」なかなか面白そうですね。1年もしたらWOWOWあたりで放送されるでしょうから、その時は見てみたいな。
きりっとした清水美沙、わたしも以前から好きですよ。
それから香川照之アレルギーのダンナ様、わかる気がしないでも・・・(笑)
「剣岳」は私もそのうちと思ってます。

yochan さんのコメント...

一日の労働時間は短いけれど、やっぱり完全オフの日は待ち遠しかったです。

「はりまや橋」お勧めです。テレビでの鑑賞と言う手がありましたね!
 うちはWOWOWは見れないけど、他局でもテレビ放映されたらまた見たいです。

香川照之、普通に演技してる分には好きらしいのですが、役柄によっては「力入り過ぎ」るから、そんなときはダメらしいです。