2008年11月9日日曜日

Daniel from Spain


今年もまた、ヴルカヌス・イン・ジャパン・プログラムの一環で島根でのホームステイが企画され、我が家もまたホストファミリーを引き受けることになりました。 今回で我が家も9回目のホストファミリー体験です。
そして、昨日、今日の二日間、と言っても実質一日だけヨーロッパの青年を一人お世話しました。
ところでヴルカヌスとは…と説明すると長くなるので、昨年のこちらの記事を参照ください。
http://peachboy-peachboy.blogspot.com/2007/11/blog-post_05.html

今回のゲストもまたスペインからの青年でした。その名もダニエル。23歳。この夏大学を卒業したばかり。事前に渡されていた資料の写真を見た時、去年のビクトルと違い、ちょっと濃いなと思いました。スペインの北西部の出身だそうです。だからビクトルとタイプが違うのかと納得。我らがダニエルとも当たり前ですが、全くタイプが違います。でも、名前が一緒と言うだけでも親近感と何か運命的なものを感じます。
さて、昨日のウェルカムセレモニーで青年たちが一斉に会場に入ってくるとき、顔を見てすぐにダニエルだとわかりましたが、その背の高さにびっくりしました。頭ひとつ皆より高いのです。顔からは想像できなかったもので(夫は写真を見た時から背が高いと思っていたそうですが)。
セレモニーが終わり、家路に向かいながら、いろいろお話しました。
まず、やっぱり身長の話になり、聞いたところ、194cmあるそうです。高いはずです。

朝10時から10時30分のセレモニーの後、食材の買い出しに行きました。昼と夜の分を買いたかったけれど、11時30分にオーケストラの練習に行っていた娘を迎えに行かなければならず、時間がなくてお昼の分しか買えせんでした。
家に帰ったら、すでに11時50分。皆にはお菓子を食べさせておいて、私は休む間もなく昼食の用意をしました。お昼のメニューはお好み焼き。キャベツを一個丸ごとみじん切りするところから始め、フライパンで一枚一枚焼いたので、全員分ができたのは1時前。

その間、ダニエルは喋りまくり。「よく疲れないね~」と感心してしまうほど、いろいろな話題を振ってきたり、こちらの質問にもとても誠実に詳しく答えようとしました。とってもフレンドリーで優しい青年です。
また、彼は非常に勤勉で、日本語の会話をとにかく実践でたくさん使いたいと、とても意欲的に日本語を使っているのです。だからまだ2カ月しか勉強してないのに、けっこう長い文を話します。文法的には変な箇所がたくさんあるし、こちらの日本語が聞き取れないことも多々あるけど、メゲずに一所懸命話す姿勢には、心を打たれました。

でも、少し正しい日本語を教えてあげました。中でも、彼が「座る」のことを「さわる」と言うのでsit downは「す・わ・る」だよと教えてあげたのですが、彼の返事は「わかってます。」
彼としてはちゃんと「すわる」と言ってるつもりなのでしょうが「さわる」に聞こえるのですけどね。まあ、いずれどこかで私のいった意味がわかるときがくるかもしれません。そうなったときはすでに時遅し。
レストランとか電車で女性の隣で、「ここさわってもいいですか」、その瞬間から「おさわりダニエル」と呼ばれる日々が待ち受けてるかも知れないのにね。人のアドバイスはよく聞いといた方がいいよ~。

彼は理系の学位をすでに2つ持っているのですが、より就職に有利な分野の勉強をしているそうです。彼のご両親は揃って高校の先生だそうですが、お母さんは仕事をしながら理系の学位を3つ取得した努力家だそうです。
そして彼は5カ国語を話します。それぞれすべて、現地に短期・長期の留学もしてある程度のレベルに達しているのがすごいです。やはり教育にはお金を惜しまない家庭なんですね。ただ、ヴルカヌス・プログラムはお金をもらいながらの研修なので、今回はとても親孝行してると思います。

今回は夫がいてくれたので、日本についてのいろいろな興味深い話をしてあげていました。私にとっても大変勉強になりました。
うちは幸いリビングに教室用のホワイトボードがあるので物事を説明するのにとっても便利。
ダニエルの名前を漢字で書くとしたらどんなのがいいか考えてあげたりしました。中国語の辞書を参考にしながら、音読みで当てはまる良い意味を持つ字を探しました。そしてとってもいい名前ができました。
ファーストネームと父方の姓で「但耶児 蝶姿」。なかなかいいと思いませんか?

名前と言えば、スペインの青年だけ、名簿の名前に姓らしきものが二つあったので理由を聞くと、ファーストネームの次にあるのは父方の姓。最後のは母方の姓なのだということがわかりました。

他にもスペインの名物チョリソーやポテトのオムレツ、お菓子についてとかいろいろ話が弾んで楽しく、ためになりました。スペインの有名な人の話や景勝地の話、ダニエルの家族の話などもしました。
息子は何かと自分の趣味の話題で話しかけていて、興味のない人には全く退屈な話なのですが、ダニエルは優しいので聞いてくれてました。
娘はシャイなので自分からは全然話しかけません。親、兄弟が近くにいるとダメなようです。でも、娘なりにアピールの方法がありまして。それは黙々と得意の絵を描くこと。そうするとたいがいの人は絵を見ながら話しけてきます。
今回もそれにうまくダニエルが乗ってくれました。私が台所にいるとリビングから娘の元気な声が。そこにいるのはダニエルと娘だけ。やはり親がいないのでのびのび話せるようです。ダニエルは色んな絵の中からなぜか「アニマル横丁」のキャラを指差し、その名前を言い当てたとか。ドラマやアニメは興味ないと言っていたのになぜ、アニ横を知っているのか、謎です。
ところで、今日スペイン国王が来日されましたが、そのこともダニエルから聞いていました。スペインにいても会えることはまずないのに、たまたま日本にヴルカヌス研修プログラムに参加していたおかげで、会う機会がセッティングされているのだそうです。ダニエルはラッキーですね。

夜はカレーライスとサラダ。食後にワインとチーズ。

寝る準備をするとき、ダニエルは背が高すぎるので、布団から足がはみ出すかも知れないということで、コタツに少し足を入れて貰うようにして布団を敷きました。

日が変わり、今日は娘の所属するオーケストラのコンサート。私はダニエルを松江に連れて行ってフェアウェル・パーティに出なけらばならないので午後からの本番を見に行けませんでした。
今回出演するのは毎年行われる出雲フィル交響楽団のプロムナード・コンサート。娘たちジュニアオーケストラも同じ舞台で前座みたいな形で演奏することになったのでした。指定席2000円、自由席1500円払って聴きに来てくれる人達のためにもみっともないことができない大事なコンサートです。しかも娘はソロがあるのでプレッシャーも相当なものです。本来なら家族みんなで聴きに行きたいところでしたが、今回は夫だけ行くことになりました。
その代り、午前中のゲネプロ(本番同様の通し練習)をダニエルと私と息子の三人で見て、その後松江に向かいました。
フェアウェル・パーティまでにまだ時間があったので松江城に行きました。ダニエルが天守閣に登るより、散歩がしたいというので松江城の周囲を歩いて、そのままパーティ会場に行きました。

パーティではいろいろな人といろんな話をして有意義なひと時を過ごしました。 食事もGOOD!
でした。
そして、お別れ。
今回は観光はすでに研修であちこち行っているので、特別なことは何もしていませんし、食事も至って普通どおりにしました。そうあるべきと主催側からの文書にもありましたし。その分普通の今時の日本の家庭の様子を見てもらえたので良かったかなとは思いますが、ちょっと彼には物足りなかったかな?とも思ったりします。
そんなことを考えたりしながら、いつもそうですが、私は割と淡々と見送りました。ダニエルもいろんな国でホームステイを経験しているからか別れ際もさわやかでした。

近いうちに写真をメールで送ってあげるつもりです。それにしても、ほんとに好青年だったな~。

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