『女性の品格』がベストセラーとなり、すっかり時の人となった感のある坂東真理子さん、またしても「品格本」を出版しましたね。その名も『親の品格』。先日書店で見つけたのですが、表紙のタイトルを見ただけで顔を背けてしまいました。もういいって~。
そもそも、『女性の品格』の方も出版された当初、藤原正彦氏の『国家の品格』の大ベストセラーを受けて付けられた「あやかり商法」みたいでイヤだな~と、スルーしてたのですが・・・。その後、あまりにも時間をもてあました時に本屋の立ち読みで完読したから内容は知ってるんですけどね。
藤原氏の『国家の品格』は一昨年11月に出版された当初、新聞で広告を見て、現在の日本について常日頃抱いている危機感と一致していたため、読みたくてうずうずしてきて、速攻で本屋に走り、購入しました。すごく藤原氏の意見に共感し、また、感動しました。友人数人にも「是非読んでみて」と言って押し売りならぬ押し貸ししたほどです。この本は「国」「日本人」のあるべき姿について論じてあり、非常に納得のいくもので、しかも感動すら覚えます。市場論理や戦後の左傾化教育で破壊された、世界に類を見ない伝統的な日本や日本人の知性、道徳性の高さ、洗練された文化についてもっと多くの人が知るべきだといても立ってもいられない気持ちになります。内容と「国家の品格」というタイトルが非常にうまくマッチしていると思います。
一方、「女性の品格」のほうは、「女性」というものはこうあるべき、という著者のあくまで主観的な考えを「品格ある女性とは・・・である」と言う調子で羅列してあるのですが、この場合「品格」と言う言葉を使われるととっても嫌味な感じがします。何故かと言うと、高学歴の元女性官僚が自分の知っている狭い世界だけで通用するような女性を「品格」があると定義しているからです。世の中には違う価値観、生活観で暮らしている多くの立派な女性がいるはずなのに、自分のほうが上の人間と言う思い込みがあるからこそ上から目線で書けるわけですよね。ましてや、もっともらしくそんなことを大々的に書いて出版するご本人は果たして「品格」ある女性なのかしら?と思ってしまいます。 ただ、中身は一般的に当たり前の常識的なことや中には参考になるものも少なからずあったと思います。
そんなわけで、「女性の品格」だけでも「うぇえ~っ」って思うのに、この上まだ「品格」本を出すのかと呆れると言いますか、もうカンベンって感じです。
また、他にも多くの品格本がこぞって出版されているのですが、安直すぎませんか?出版社の方針でタイトルが決められるのでしょうが、出版社の方ももっとタイトルを工夫しようという気はないのかな~?
まあ、そういった本でも、暇な時には結局、本屋や図書館でブラウジングはするかもしれませんけどね。 中身次第では買うかもしれませんしね。
4 件のコメント:
御訪問有難うございました。出版業界にとっては新書は売れ線なので店頭にて手にとって貰えるタイトルを、と言う事なんでしょうけど、おちまさと氏の言う「鉄板病」がこんな場所にも、と思います。
下手な品格本よりも岩波新書ながら「自由と規律」と言うのが面白かったです。活字が今時の新書に比べ半分の大きさなので読み応えもありますよ。
furitannさん。
ようこそいらっしゃいました。
おちまさと氏の造語「鉄板病」について、furitannさんのコメントを読んで初めて知りました。ありがとうございます。本のほうも読んでみたくなりました。
また、「自由と規律」イギリスのパブリックスクールについて書かれている本なんですね。「国家の品格」の藤原正彦氏の価値感に共感するワタクシとしては、「自由と規律」の方も、よく似た価値感に共感できそうです。
「鉄板病」とともにこの年末年始の休みに是非、読みたいです。
この記事を読んで、あぁやっぱり同じ感じ方をしてるんだな~と思いました。「女性の品格」の新聞の広告で「品格ある女性とは○○」といろいろ項目ごとになってるのを見て、こんな事今さら云われなくとも・・・と読む気は失せました。たしかに云わんとしていることはわかるんですけどね。もう仕上がっている私達おばさんはもういいから、これからの若い女性には読んで勉強してほしいですね。
品格なんてほとんど私語になってしまったようだけど、あんまり安っぽく使ってほしくはないですよね。
先日も触れた「時代の証言者」ますます面白いですね。氏がどうしてこうも日本を見つめ直さなければならなかったのか、が解ってきてとても興味深いです。両親がまた強烈な印象ですよね(笑)。
ジョディさん。
そうそう、「品格」って言葉を安っぽく使って欲しくないですよね。「品格」と「安っぽさ」って相反する概念ですものね。
「時代の証言者」、私も最近とくに興味深く読んでいます。最初の方はたまにしか読んでいなかったのが悔やまれます。早く本にならないかしら。
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