2007年12月2日日曜日

マエストロの音楽講座

 昨夜は、「マエストロの音楽講座 Vol 2」を受講しました。この講座は、指揮者であり、出雲芸術アカデミー芸術監督 中井章徳氏による音楽講座です。どういうコンセプトの講座かというと、主催者の言葉を借りると・・・クラシック音楽は、知識無く鑑賞しても楽しむことができますが、少しの知識を得るだけで、より深く理解と感動を呼ぶものです。  各楽器の音、メロディの意味、作曲家の想いなど、CDや映像ではなく、生のオーケストラだからこそ学べる内容です。  楽器はできないけどクラシックが好きな方、ちょっと難しそうだなと思っている方、この講座でもっとクラシックを、音楽を好きになっていただきたいと思います。・・・  と言うものです。 私のようにクラシックの素養のない者でも大丈夫そうな内容なわけです。
 8月に一回目の講座があったようですが、知らなかったもので、今回が私にとって初めての受講となります。定員予約制なのでもしかして抽選から漏れる事もあったかもしれませんが、無事に受講できてよかったです。ちなみに受講料は1000円。前回は出雲市駅の近くのパルメイトで開催されたそうですが、今回は大社のうらら館が会場となりました。毎回敢えて場所を変えることにより、より多くの人に受講してもらおうと言うことだそうです。
 さて、今回取り上げられた作品は歌劇『魔弾の射手』です。この作品は、ドイツ・ロマン派オペラの創始者と呼ばれるウェーバーの最高傑作で、ワーグナーやリヒャルト・シュトラウスら、後の作曲家に大きな影響を与えたのだそうです。 あらすじは・・・・・

第1幕
狩人のマックスは明日行われる射撃大会の予行演習をしていた。しかし彼の放つ弾は的を射抜くことができない。 このままでは明日の結果は目に見えている。しかも恋人のアガーテの父・クーノーは、彼の明日の結果次第ではアガーテとの結婚を認めないといっている。
狩人仲間のカスパールは、自信を失っているマックスにつけこみ、「深夜に人々から恐れられている狼谷へ来たら、勝つ方法を教えてやる」と言い、マックスを誘い出す。
第2幕
その夜、アガーテの部屋を訪れるマックスは、狼谷へ行くことを彼女に告げた後、狼谷に向かった。 その頃、カスパールは狼谷でマックスの命を引き換えに契約を延長と、7発中6発は自分の意図するところに必ず命中し、残りの1発は悪魔の望む箇所へ命中する魔弾を作るように、悪魔のザミエルに頼んだ。 そこへマックスが狼谷へやってきて、カスパールと共にその魔弾を鋳造した。
第3幕
射撃大会の当日、アガーテは花嫁衣裳を着て、マックスとの結婚に備えている。 婚礼の花冠を持ってくるが、それは葬儀用の冠だった。そこでアガーテは森の隠者から貰った白いバラで花冠を編んでもらい、それを代わりにかぶるようにした。
一方、射撃大会ではマックスが魔弾の効果ですばらしい成績を上げていた。領主はマックスに最後の1発で鳩を撃つように命令した。しかしその弾は飛び出してきたアガーテに向かって発射してしまう。ところがアガーテはバラの花冠がお守りになって弾をそらし、間一髪命中をまぬがれた。だが、反れた魔弾はカスパールに命中してしまい彼は死んでしまう。 不審に思った領主はマックスにその理由を問うと、マックスは正直に全てを答える。それに激怒した領主はマックスに追放を宣告するが、そこに隠者が登場しマックスの過ちを許すように領主に諭す。領主はそれに従い、1年の執行猶予の後マックスとアガーテとの結婚を許した。(Wikipediaより)

 
 まず、資料として渡された指揮者用の楽譜(全ての楽器の楽譜が書かれています)の写しを見ながら、出雲芸術アカデミー音楽院のオーケストラ・レパートリーのみなさんによる『魔弾の射手 序曲』の生演奏を聴かされましたが、「一体今どこを演奏しているの?」と、もうちんぷんかんぷん。私、自慢じゃないけどピアノとかの楽器をちゃんと習ったことがないんです。中学校の時に音楽の授業で習った楽譜の読み方は大体覚えているのですが、いきなりだとついていけません。フェルマータとか、なつかし~と思ってるうちに次に進んでいるのです。
 通しで聴いた後、オペラの序曲とは、という解説から始まり、ウェーバーの生きた時代背景、ドイツの国民音楽の成立とウェーバーの果たした役割をものすごくさらっと説明されました。そして、『魔弾の射手』を今度は部分的に取り上げ、物語の流れと楽器の使われ方などについて解説していただきました。
 まず楽器「ホルン」について、詳しい解説をしていただきました。ホルンは霊的なものを呼ぶ楽器だと思われているそうです。そして、ドイツと言えば「森」。狩猟民族の彼らは森でうまに乗りながら仲間に合図を送る為にホルンを片手で操作し吹いていたわけです。だから今のホルンと構造が違っていたとか、まあ、いろいろなお話を聞きました。
 他に例えば、しばしばクラリネットは男性を表現するときに使われるそうで、主人公マックスの心の動きなどはクラリネットが使われているとか、チェロは悪魔のサミュエルを表しているとか、音の強弱、楽器の種類で物語の中の変化を表現しているのだと言う事がわかり、「ほほぉ~、なるほど~」と感心しました。これからオペラをCDで聴く時も色々場面を想像しながら聞くことができるような気がしてなんだか嬉しくなってきました。オペラは劇なのに、観ようという気が今まで しなかったけど、観る方も楽しんでみようかな、という気持ちも出てきました。
 今回の中井先生の講義のおかげで、オペラの見方、聴き方が変わったと思います。より深く理解し、楽しむ事ができるのは確かだと思います。生演奏を聴かせて下さったオーケストラ・レパートリーの皆さんにも感謝、感謝です。
 実は、今日は今日で、娘の入っている出雲芸術アカデミー基礎合奏コースの参観日だったので、二日連続で中井先生の講義を聴く事ができました。練習内容について知る事ができたし、音楽の知識もまた増えちゃいましたv
 参観の後は保護者の懇親会、続いて練習を終えた講師、生徒も一緒になり、楽しい歓談のひと時を過ごす事ができました。初対面の方々がほとんどでしたが、皆、すぐにだれとでも打ち解けてざっくばらんに話ができる方ばかりで、本当に楽しく、有意義な会でした。先生方、保護者会役員の皆さんには本当にお世話になり、感謝です。

 

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