2007年11月21日水曜日

昨日の人生案内より

不細工で親に嫌われ育つ
20歳代女性 親子連れ見ると嫉妬

 20歳代女性会社員。年の近い弟妹がいます。
 弟妹は親に似て容姿端麗、生まれたときから誰もがうらやむかわいい赤ちゃんだったそうです。それに比べ私は不細工で、親も連れて歩くのが嫌だったようです。「私は何をしているときならかわいいか」と親に聞いたところ、「何をしてもかわいくない」と言われたこともあります。
 大人に甘えられずに育ったせいか、この年になっても、街で親子連れなどを見ると憎らしくなります。「大してかわいくないのにおしゃれして、フン」「そんなに我が子がかわいいか」と思ってしまいます。
 人として女性として、いけないことだと理解しています。しかし、心の中は、嫉妬(しっと)でいっぱいなのです。人の反感を買う悩みなのでまわりには相談できません。どうしたら私は安らかな気持ちになれるのでしょうか。(福岡・I子)
◇ 回答◇
 私の想像では、あなたは、いわゆる美人だと思います。そうでないと言われるけど、大体容貌(ようぼう)のことを話題にするかたは、容貌に自信を持ち、他の美人が気になる、というタイプが多い。
 劣等感は人と比較するから生まれるのです。比較するのは、自信があるからです。自信過剰であればあるほど、劣等感は強まります。嫉妬は劣等感と比例します。
 従って、要するにわが身を人と比べなければ、心は平安です。憎しみも恨みも悲しみも、一切ありません。あなたはまず弟妹と比較しなければよろしい。
 ちょっと古い人ですが、新国劇の創始者、沢田正二郎は、理由もなく家族からのけ者にされて育ちました。一家中が花火見物に出かけるのに、正二郎は留守番をさせられました。家族にかわいがられなかった彼は、長じて大衆から愛される役者になりました。人を恨むより愛する方が、大人なのだと知りました。グチや嫉妬は、心が未熟なのだと、知ったのです。
 (出久根 達郎・作家)
(2007年11月20日 読売新聞)

 私は最初、この記事を読んだとき、「この相談者は親の偏った育て方の被害者でかわいそう」と同情しましたが、回答者の意見にもなるほどと唸ってしまいました。

 確かに人と比較するのは自分に自信があるからで、どこかに張り合う気持があるから比較し、少しでも相手が優位だと思うと嫉妬の心でいっぱいになる。または自己卑下してみせる場合もありますよね。また普段の心の持ちようについても書いておられます。

 とはいえまあ、私は人と比べるのはそんなに悪い事だとは思わないですけどね。だって、人から刺激を受けることによってより自分を見つめなおし、劣等感をばねに成長する事もできるわけですから。顔のつくりは整形でもしない限り変えようがないですけどね。

 でも、劣等感と自信の関係については勉強になりました。出久根先生、さすが読みが深い。今回の人生案内は相談内容のとほほさよりも回答者のお答えにブラボー!!


2 件のコメント:

ジョディ さんのコメント...

昨日この記事を読んで、あぁきっとyochanブログで取り上げるだろうなあって思ったら、やっぱりでした~(笑)。
相談者の気持ちわからないではないですけどね。誰でも兄弟に嫉妬するって多かれ少なかれあるでしょうから。こんなにひねくれてはいないでしょうけど。
 相談の内容もだけれど、回答者がどういう答え方をするのか、すごく興味のあるところですよね。今回の出久根先生は、本人が本当に不細工だったとしても、それを承知で自信を持たせようと「あなたは美人だ」と言ってるのかな?とも思えるんですが。全然的はずれかも・・・。

yochan さんのコメント...

ジョディさん、さすがするどいですねぇ。すっかり読まれちゃってますね(^^;。
実は私も、ジョディさんと同じ事をチラッと考えました。出久根先生は相談者が本当に不細工だった場合も想定した上で、その人を励ます事ができるよう配慮した内容にしておられると思います。