昨年末以降読んだ本の簡単な感想です。 新刊本はありませんが。
『良心を持たない人たち』マーサ・スタウト 著
いわゆる反社会性人格障害について書かれた本。私は10年ほど前から人格障害に興味があり、10冊くらいは関連した本を読んでいますが、殊、反社会性人格障害に関しては、この本が今まで読んだ中で一番良かったです。特に最後の数十ページの問題解決についての考察が◎。ちなみにこれを読む数か月前に、期待して読んだ同テーマの『悪の起源』は期待外れでした。
常軌を逸した犯罪が増加している現代。反社会性人格障害の研究が今後も深められることを期待します。
『「心の専門家」はいらない』小沢牧子 著
昨今、何か事件や事故があるたびに、メディアでは「心のケア」と言う言葉が取り上げられます。
たとえば、昨年は大分県の教員採用の不正問題でも、生徒たちの心のケアのためにカウンセラーが必要だとかなんとか言う記事が出ていましたよね。私はこれは行きすぎなのでは?と個人的には思いました。
犯罪被害者やその家族など本当にケアが必要な人には十分なケアがなされることを切に願いますが、最近多い上記のようなケースは、大げさすぎるのでは?と感じるのです。
なんかこう、「心」の大事さを強調しているのが、逆に「心」の問題を軽く扱っているように思えるのです。
ここ数年そんな風に感じていた私ですから、古本屋でたまたま目に入った『「心の専門家」はいらない』と言うタイトルは迷わず買ってしまうのに十分でした。
初めの方はカウンセリングの技法とその問題点など興味深い内容で面白かったのですが、しかし、読み進むうちにだんだん、この著者はただ単に、この本を臨床心理学研究者同士の派閥争いの場に利用しているだけではないかと言うことに気づき、幻滅しました。ためになる部分もあるけれど、全体的に著者の狭くて偏った考え方を屁理屈をならべて展開していると言う印象で、読後感は後味が悪かったです。大いに期待を裏切られた本でした。
『精神科に行く前に読む本』早坂繁幸 著
この本は、見つけるちょっと前に、読売新聞の健康のシリーズ記事で精神科での誤診がもとで、大変な苦労を強いられた方たちのケースをいくつも読んでいたのと、「心のケア」についての漠然とした疑問に何か答えてくれるのでは?と思い買いました。上記の本のすぐ近くにありましたしね。
わかりやすくていい本です。
『勉強の出来る人できない人』和田秀樹 著
「当たり前」のことが書かれていると思います。でも、もしかしたら勉強に挫折感を感じている人には「目から鱗」の内容かもしれません。タイプ別アドバイスもあり、読んで損はないとは思います。
『カイくんのきもち』大村あつし 著
サスケさんが貸してくださった本。今年に入って読んだ中では今のところ一番感動しました。
携帯CMのお父さん、白い犬のカイくんがいろんな場所でいろんな人に出会います。仲間に馴染めない小学生、停年退職間近の会社員など…。カイくんは彼らと話し、一緒に考え、自分の気持ちを伝えます。それらはそれぞれの人にとって宝物になるようなメッセージです。
感動の短編集。私は特に定年間近の会社員の話には泣けました。また、仲間に馴染めない小学生の話の終盤は驚きました。大村あつし、いいですね。意外性の魔術師と呼ばれているとか。サスケさん、良い本をありがとう。 早く返さなくちゃね。
『Round Trip 』 『Swing!: A Scanimation Picture 』
これらは外国の絵本ですが、先週Amazonで見つけて衝動買いしてしまいました。2冊とも仕掛け絵本ですが、とても面白いです。
『ないもの、あります』クラフト・エヴィング商會 著
よく耳にはするけれど、一度としてその現物を見たことがない物、たとえば「転ばぬ先の杖」、「堪忍袋の緒」。そう言ったこの世の「ないもの」たちを、古今東西より取り寄せ販売するのがクラフト・エヴィング商會。この本はそれらの商品のカタログです。解説文がなかなか皮肉が効いていておもしろいです。商品イラストもgood。
2 件のコメント:
いえいえw
大村あつし、なかなかヤラれるでしょ?(笑)
もう一冊の方も、古本屋で探したけど見つからず
(残念なことにここいらの
ブックオフにはなかった^^;)
某アマ●ンのユーズドで
底値で見つけて即購入ですw
私も定年退職のお話は泣けました。
『文房具』という表現との対比で、
ベテラン社員がああも魅力的な
人物像に写るとは・・・。
擬人化したカイくんも
違和感なく読めてしまうところが面白いしw
ぜひ、エブリ・リトル・シングの方も
貸しますんで(笑)読んでみて下さい☆
サスケさん、
ほんと、ヤラれますね。
この本、プレゼントにも良さそう。
そう思って、入院している中学生にお見舞い
としてプレゼントしようと思ったけど、私の
入った本屋さんでは見つかりませんでした。
擬人化されたカイくん、違和感無いけど、
物を食べたりするとき、やっぱり犬だよな~
と気づかされ、微笑ましいです。
焼き鳥食べるカイくんの姿を想像すると、
クスッとなります。
エブリ・リトル・シングもよさそうですね。
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